新規採用の副業・兼業人材人件費助成レポート 【サンフレッチェ広島】
公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC)は、スポーツ団体の人的資源活用を目的に「新規採用の副業・兼業人材にかかる人件費助成」を実施しています。今回は、2024年度の交付団体に選ばれたチームに、人材や副業と助成金についてお話を伺いました。
サンフレッチェ広島が推進するクリエイティブ人材戦略—業務委託で専門性を確保、東京から広島移住へ
新スタジアムの運用が開始された直後の“サンフレッチェ広島“
助成金制度を活用したクリエイティブ人材の採用とその活用実態について、広報の高見氏にお話をお聞きしました。
新スタジアム完成でSNS等のクオリティ高め、ブランディング向上を目指す同クラブは、業務委託契約を通じて高度な専門性を確保し、その関係性を深化させています。スポーツ界におけるクリエイティブ人材の採用と業務委託契約の実態について、採用したクリエイターとの良好な関係構築のポイントや地方クラブが高度な専門性を確保するための新たなモデルケースを示していただきました。
助成金活用でクリエイティブ人材を確保
この助成金については関係者からの情報提供とインターネット調査を通じて制度を知り、クラブの目標達成に向けた人材確保のために申請に踏み切りました。申請手続きも予想以上に煩雑さがなく簡素化されていて、申請しやすい助成制度だと感じました。
助成金の仕組みとしてクリエイター個人に確実に報酬が渡るよう、法人経由ではなく個人への直接支払いを確保する仕組みが採用されているのも特徴的でよい取り組みだという印象を受けました。
単発から包括業務へ拡大、クリエイターが広島へ移住
業務委託のポイントは「自由度」。そして、他ビジネスとの兼業を推奨
現在、業務委託契約を結んでいるクリエイターは、当初は単発のカメラ撮影業務から関係がスタートしています。その後、助成金を活用して総合的なクリエイティブ業務を依頼する形態に発展しました。そうするなかで、当初はリモートワークが中心でしたが、クラブが実績を評価し、広島への移住を提案したところ、現在は広島を拠点に活動する形に至っています。
この手法は、地方クラブが外部の専門人材と強固なパートナーシップを築く新たなモデルケースではないかなと思います。
拠点を移す一方、社員雇用ではなく業務委託契約は継続し、自由度が高くクリエイターにとって「やりたくない仕事を強制されることがない」状態は確保しています。また、クラブの仕事だけに注力するのではなく、他のビジネスも並行して行うことも推奨していて、これが結果的にクリエイターのスキルアップにつながったりして、互いにポジティブな関係を築けているのではないかと感じます。
柔軟な業務管理と社内フロー理解の重要性、関係構築のポイントは?
業務の進め方としては、定例業務に加え、追加のプロジェクトには別途予算を支払う形で進行しています。毎週打ち合わせを設定しつつ、クリエイター側の都合も考慮した柔軟なスケジュール調整を行っています。業務にはSlackを主に使用し、必要に応じて電話なども活用してコミュニケーションを図っています。
業務委託を成功させる上で、納期厳守とコミュニケーションの質は最も重要だと捉えています。
さらに、クリエイティブ業務の最終的な意思決定には、役員や親会社の承認が必要な場合もあるため、会社のフローや意思決定プロセスをクリエイターにきちんと理解してもらうことが不可欠だと思います。
そのうえでクリエイティブの業務委託を成功させるための重要なポイントとして、以下の4点ではないかと考えています。
- コミュニケーション能力
- クリエイティブの質
- クラブの目指す方向性の理解
- 社内の意思決定プロセスの理解
サンフレッチェ広島ではクリエイティブ以外にも広報やコンサルティングなど、幅広い分野で業務委託を活用していますが、プロジェクトごとの依頼が主で、常駐を求める形態は採っていません。
どこをとっても業務委託で契約する場合は相互にリスペクトのある形で相談ができることが大切だと思います。
インタビュー:2025年10月