SHCスポーツビジネスマスターコースOBOGインタビューVol.1_高島祐亮氏/SC鳥取(ガイナーレ鳥取)経営企画本部長)

業界の最前線で活躍しているOBOGに、「コースでの学び」や「未来の受講生に一言メッセージ」などを聞き、本コースの魅力を発信していきます。

一人目は、ITベンチャー企業において、経営企画・事業企画などで上場に貢献したバッググラウンドを持ち、「第一期生」を経て、SC鳥取(ガイナーレ鳥取)経営企画本部長として活躍する「かーねる」こと、高島 祐亮さん。

 

Q 現在の仕事内容について、教えてください。

月曜日から金曜日は、「試合運営やホームタウン事業など強化育成部門外の伴走と統括」全体の事業予算の組み立てから進捗管理、各MTGに出席しての意思決定の補助をしている。

土曜日・日曜日は、2020年に創業した『(株)GTベンチャーズ』で芝生事業を中心に地域に広がる面白い事業を育てる「地域活性化」を手掛けている。

【手掛けた事業】SC鳥取百年構想プロジェクトShibafull(しばふる):ガイナーレ鳥取がチュウブYAJINスタジアムの施設管理で培った芝生の生産ノウハウをもとに立ち上げた芝生生産事業(https://www.gainare.co.jp/shibafull/)など。

【高島さんの仕事内容記事】:https://real-sports.jp/page/articles/415702084118119265

 

Q なぜ『SHCスポーツビジネスマスターコース』を受講されましたか?

スポーツビジネスに興味を持ったきっかけは、2つ。

1つ目は、元々柏レイソルのゴール裏サポーターで、勝利をクラブに求めることだけに飽きてきた中で柏レイソルの経営に興味を持ち、自分なりの仮説を含め事業計画書(20-30枚)を作成したりしていた。

2つ目は、 これまでJクラブが消滅した事実があり、自分の応援するクラブであるなしに、危ういクラブがあるという業界課題を解決したい。「Jクラブを無くしてはいけない」という使命を感じた。

とはいえ、「自分の経験・スキルが活きる場なのか、自分の力がどのくらいスポーツビジネスで役に立てるのか確かめたかった」ので、SHCを受講した。

 

Q 『SHCスポーツビジネスマスターコース』での学びは何ですか?

受講していて、自分の思いつくアイデア・切り口が、大多数の意見ではなく、刺さる余地があると感じ

た。2015年当時ITに強い人がほとんどいなく、プラットフォームや生活様式が変化していく中で、「実現するまでのスピード・IT独特の泥臭さ」という自分の武器が通用すると思えたこと。

また、「地方への危機感」も大きな学びで、地方のJクラブほどあまりビジネス・仕組みが整理されておらず、ビジネスモデルがどこも一緒だった。そこに「柔軟性」や「新規事業開発」の視点を持ち込むこと、経営を仕組み化することに役立てると思うと同時に、地方のJクラブがこのまま延長線上に時間が過ぎると危ういと感じた。

―当時、『SHCスポーツビジネスマスターコース』で取り扱ったJ1クラブから照らして、地方のJ3クラブを個人で調べた。結果、都心と地方の情報格差のギャップがあると思っていたので、例えば、デジタル化JリーグIDの裏で、地方のスマホ率・高齢化率に差があり、地方は、地方なりの生き方を見つけないと考えないといけないと肌で感じた。―

さらに、同期の1期生達は一言でいうとカオスだった(みんな本気だった)。経験をぶつける気質のある、自信もあるメンバーに囲まれたことは刺激で「本気度がぶつかる場」であった。

 

Q 『SHCスポーツビジネスマスターコース』で最も印象に残っている講義はどの講義ですか?

クラブ実習の「水戸ホーリーホックの集客施策」。

スタジアム付近のこどもを集めるために、家族ごとバスで送迎したら、効果があると企画した。(バスガイドを高島さん自身が担当)結果このカロリーでこのくらいの集客にしかならないのかという「気づき」があり、スポーツビジネスは、IT業界の効率とは真逆の「非効率・パッション」が紐づいてくると痛感。これまでの人生になかった、チャレンジングな環境で非効率を効率化する楽しみがあるなと感じた。

 

Q 今後成し遂げたい、ご自身の目標は何ですか?

地方クラブが特にそうだと思うが、往々にして「人のつながり」で成り立っている。ビジネスの価値、スポーツビジネスの価値ではなく、人で成り立っている。いわゆる「仕組み化」できているとは言いにくい。社長がいなくなったら終わりのビジネスモデルは変えたいと思っていて、それが「在り続ける仕組みをつくる」ということだと思う。

Shibafull(しばふる)などの新規事業もそうだけど、これまで貢献してくださった方々への感謝もあるが、僕が今やらないといけないのは、社長が背負っている荷物を少しずつ下ろしていくことだと思っている。かといって、私しか背負えないようなバッグにするのではなく、みんなが背負えるバッグにしていかないといけない。そういった意味での「仕組み」をしっかり作っていく。人口最少県である『ガイナーレ鳥取』でできれば、他のクラブもできると思っているので、チャレンジする楽しさがある。

 

Q これからの『SHCスポーツビジネスマスターコース』受講生に一言メッセージをお願いします。/こういう魅力がある・こういう人にオススメなど

「スポーツ業界は困っている。」と正直思います。

人は何のために仕事をするのか、色んなプライオリティーがあると思うが、僕からすれば、今まで経験したことのない「やりがい」がスポーツビジネスにはたくさんある。

「あの人のために、手を動かして良かったとか、足を運んで良かったとか」どんな感情かと言われたら難しいが、「幸せの在り方」など、スポーツビジネスを通じて、いろんな気づきを感じることができると思う。

一般的にお金のために仕事をする、地位・名誉のために頑張るとかだと思うが、スポーツを取り巻くところには、理由がたくさんある。「地域のため」とか「あの人のため」「子どものため」とかベクトルがちょっと違う体験をたくさんすると思うし、お金だけじゃない軸を価値観として得られる。

ただ、SHCだけじゃなくスポーツビジネス講座を学んで、チャレンジしている人もいると思うが、大体1-2年で離れてしまう人が多いと思う。わたしは鳥取に来て5年目だが、3年いてようやく気づくことが多かった、そういう人を増やしたい。『ガイナーレ鳥取』でもJFLで10年戦っていた歴史がある、その時間軸で物事をみないといけない。

求められている人材は、「変われる人」だと思う。柔軟力は大事、誰にも左右されない「働く理由」何のためにそこにいるかわかっている人がスポーツビジネス人材に求められる。

スティーブ・ジョブズではないが、「いつ死んでも良いと思っている」「今日やるべきことをやっているか」後悔しないために、この仕事に就いている。

 

受講を通して出会う人たち、実際の現場の価値観や、やりがいなど、得るものはたくさんあると思います。

スポーツビジネスはまだまだこれからです。

©GAINARE TOTTORI