SHCスポーツビジネスベーシックコースOBOGインタビュー_永野猛氏/㈱ディマンドクリエイション/R&C室

「スポーツ組織経営の基礎知識の習得」を軸として、マスターコースよりカジュアルなコース設計にて、受講の門戸を広げるため、新設された「SHCスポーツビジネスベーシックコース」。

第一期生となったOBOGに、「コースでの学び」や「未来の受講生に一言メッセージ」などを聞き、本コースの魅力を発信していきます。

受講生の永野猛さんは、現在市場調査会社「㈱ディマンドクリエイション/R&C室」にて、リサーチャーとして、企画・設計、実査、分析、報告まで幅広い仕事を担当されています。

 

Q 現在の仕事内容について、教えてください。

主にIT、環境、流通・サービス、製造業等のクライアントに製品・サービスのポジショニング、流通販売動向、競合調査等、様々なマーケティング・リサーチ業務に携ってきました。取材やヒアリングに基づく定性調査による仮説検証を実施することで、クライアントに対して課題解決の為の情報を提供しています。

 

2017年頃からパラスポーツ関連の製品・技術開発ニーズ探索調査に関わることが増え、車いすメーカー等と共に新素材のパラバドミントン車いすの開発に着手、パラリンピックを目指す日本代表選手と海外遠征に帯同しながら、車いすの評価、分析、計測を行いました。

結果として、新開発車いすをサポートした選手は東京2020パラリンピック出場及び銅メダルを獲得。コロナ禍で行われたパラリンピックでもあり大きな勇気と感動、チャレンジする大切さを再認識しました。

 

最近では、副業としてパラアスリートと一緒に全国の小中高校で体験型授業にも携り、パラスポーツを通じて、児童生徒達に共生社会への気づきや学びの機会を提供しています。

 

 

Q 現在の仕事の魅力/やりがいについて、教えてください。

市場調査はデータ分析などドライで地道な作業も多いが、大切にしていることは、「人」と「人」のコミュニケーション、調査アプローチを工夫しながら通り一遍のリサーチでは導き出しにくいような深い情報までも得ることを目指しています。

時にはドブ板を剥がすような調査もあるが、熱量を持って課題に向き合い、臨場感のあるレポートで、クライアントの新しい気付きや発見の一旦を担い、新商品・新規事業の発展に繋がることは大きなやりがいを感じます。

 

 

Q なぜ『SHCスポーツビジネスベーシックコース』を受講されましたか?

一つは、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機にスポーツに関わる仕事に触れたことです。私自身小学校からずっとサッカーを続けておりますが、漠然とサッカーと関われる仕事ができたらと楽しいなと思っていましたが、実際にパラリンピアンや競技連盟スタッフ、用具メーカーの人達の情熱を間近に感じたことで、スポーツはドリームジョブだなと思いました。ただ、自分の経験やスキルがスポーツビジネス(クラブ経営)のどの分野でどう活かすことが出来るのか、具体的なイメージと自信がぼんやりしていました。

二つ目の理由として、そのような中ビジネスベーシックコースが新設されたことです。ビジネスマスターコースの存在は知っていましたが、体系的・網羅的に学べるベーシックコースのカリキュラムは業界経験の無い自分にとって魅力的でした。

 

 

Q 『SHCスポーツビジネスベーシックコース』での学びは何ですか?

グループワークによる双方向性、経験や自らの考えを語り合うことができたことです。

コース内容は、クラブ経営の基礎知識にはじまり領域別のガイドラインなど幅広く学べ、自身も含め皆さん毎週の事前課題準備は大変だったかと思いますが、モチベーション高く毎セッション充実し、常に新しい発見がありました。

本コースにはビジネスで豊富なキャリアをもつ人達が、自らの経験やスキルをどうスポーツビジネスに還元できるのかと考えている方も多かったように感じました。

「クラブ経営ガイド」は原理原則にフォーカスされて非常によく纏まっており、クラブ経営者が意思決定する上での拠り所としているのがよく分かります。

また、基本オンライン受講でしたが当日の講義の振り返りやプライベートな会話ができる放課後のセッションも大変有意義なものでした。

 

 

Q 『SHCスポーツビジネスベーシックコース』で最も印象に残っている講義はどの講義ですか?

社会連携、フットボール、toC、事業強化、経営基盤、施設整備など、正直、全ての講義が新鮮でした。

その中でも印象深く残っているのは、浦和レッドダイヤモンズ テクニカルダイレクター西野努さんの「スポーツビジネスは情理に引っ張られやすい部分があり「合理」と「情理」のバランスが大切となってくる」というフレーズ。

「より良い合理」と「より良い情理」を生み出すためには、お互いの置かれた立場や環境、前提の共有が不可欠であると。経営層と強化部の共有認識、理解し合うことは経営に必要な揺るぎない哲学でもあることが感じられました。

「合理」と「情理」、このせめぎ合いの中でどう整合性をとっていくか。そこに経営の本当の難しさがあると垣間見ることが出来ました。

 

 

Q 今後成し遂げたい、ご自身の目標は何ですか?

スポーツビジネスの基礎知識を習得し、長年産業分野でのリサーチ及び市場研究に携わった経験を活かし、クラブの公共財としての在り方及び社会課題解決に取組むきっかけを掴みたいです。例えば、多くの「個別解」(事例研究・ベストプラクティス)から様々な課題(側面)を分析することで、その中に潜む一般性を見いだして、解決及び新規事業化などに挑戦してみたいと思います。

様々な産業、業界等との橋渡し役となり、それぞれの課題や潜在的な多方面からの問いを立て、仮説検証し、新たな事業創出を実現したいです。

 

 

Q これからの『SHCスポーツビジネスベーシックコース』受講生に一言メッセージをお願いします。/こういう魅力がある・こういう人にオススメなど

ビジネスベーシックコースは、学べる領域が幅広く体系的・網羅的に取り組んでみたい人には最適です。最大の魅力は、志の高い受講生と様々な課題について侃々諤々の議論を行い、長期的に良い仲間が作れることです。

少しでもスポーツビジネスに興味関心がある方は迷わず飛び込んでみてください。きっと大きな学びが得られると思います。